第11回 第一章.ブラックホールを交差したランナー - 竜を家に連れて (遅れてきた、津軽アイヌ) -

キロス田中桜子
悪いものは皆持っていく
 海岸町の祖父母と喜良市を訪れた夏から二年ばかりして曽祖母のキクが他界した。一年ほど寝たきりだったばばちゃんを母はよく介護していた。 床ずれをしてつらそうなので向きを変えてやったり [...]

人が動く (16) - 世界90カ国歴訪雑感 -

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 夏休みだった。フランスをヒッチハイクでイタリアに向け南下していた。一台のミニクーペが止まってくれ、ドアを開けてくれた。狭い車内には若い男女ふたりと荷物がぎっしり。空間ゼロ、 [...]

再連載バンクーバー歴史散歩 -第二回 ピース・アーチ・パーク-

 1846年、オレゴン条約により北緯49度線をもって、BC州とワシントン州の国境とすることが決まった。
 ロッキー山脈の西側、カリフォルニア(当時スペイン領)の北、アラスカ(当時ロシア領)の地域は、18世紀までは、英国、 [...]

塩せんべい - 思い出の片隅 西村 咲弥 -

 小学校のころは学校が終わると、よく遠くの友達のところまで遊びに行ったものだった。親しい友達の家の近くに、せんべいを焼いている店があった。関西では小麦粉と砂糖が原料のものをせんべいと呼んでいるが、関東でせんべいといえば米 [...]

キノコ - 光と風のなかで -

 キノコ採りの楽しみは何と言っても道も無い山中や森を歩き、この大地を支えている普段あまり気の付けない生き物を見ること。他の季節には木の枝にとまる鳥たちを探して『ウワノソラ』が多いが、キノコ採りはそれと違って、地表に 静 [...]

9月。夏休み - むすめと私のおにぎり日記 -

9月。娘よ、小学校入学おめでとう。
7日の夜。娘は緊張していたのだろう。3回も起きてきた。
「ママ、鼻血」それは、ただの鼻水だった。「ママ、寒いよ」毛布をかけに行った。「ママ、眠たくないよ」寝つくまで一緒にいた。こんな感 [...]

ビギナーズ・ラック - インディアンの花の島 -

太田 幸昌
ナバホ族のパット、ヌーチャ・ヌルス族のリチャードと共に海釣りに出かけたぼく。大波荒れ狂う外海で木の葉のように漂う鍋底船の上で船酔いにのた打ち回りながらルアーをゆすっていたぼくの竿に、体ごと海底に持っていかれる [...]

町は大人の学園祭 - 連載エッセイ 窓を開ければ港も見える 阿川 大樹 -

 僕の仕事場の黄金町は、かつて問屋街だった。
 ところが太平洋戦争の後のごたごたで、いつの間にか麻薬と売春の町になってしまった。戦後、人々はそれぞれぎりぎりに生き延びる道を求めた。それらの人々の切実な事情が重なったとき、 [...]

第10回 第一章.ブラックホールを交差したランナー - 竜を家に連れて (遅れてきた、津軽アイヌ) -

キロス田中桜子
脱魂病(2)
 しかし父は医者である反面薬も医者も大嫌い、「紺屋の白袴」と自称していた。切ったり取ったりするのは自然に反するといった考えがあったのかもしれない。そのせいかどうか知らないが、私も弟も、歯の治 [...]

8月。続・夏休み。- むすめとわたしのおにぎり日記

愛戸のぞみ
 今、娘はSFUのデイ・キャンプに行っている。朝8時半から15時半まで。送り迎えに往復2回運転し、合計すると2時間近くかかる。ガソリン代がかかりすぎるので、来年は近くのコミュニティーセンターに入れようと思う。 [...]

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