バンクーバー・マリタイム・ミュージアムは、50年間にわたってカナダ太平洋岸の海事の歴史を今に伝えています。北米西海岸でも最も重要な海事博物館として有名です。
建物内には、困難な北極航路を航海した有名なRCMPの北極スクーナー船が1944年のまま保存されており、来館者はその船内に入ることができます。
そのほか、ここでは様々な海と船に関する貴重な歴史が展示されており、それは私たちが住むカナダを知るにも大きな手助けとなります。
現在この博物館では、MELTDOWN: Oceans React to Global Warmingと名付けた短期展示が行われています。
地球温暖化が生物全体の深刻な問題となり、いかにして地球上の生命を維持していくかを解き明かすことが今の私たちに課せられた大きな任務です。その答えの一端をひもとく鍵をここでみつけましょう。
この展示会は、Canadian Association of Science Centerとのコラボレーションにより、現在の気候変動が海と北極に与える影響が示されています。
この展示では、海水の酸性化や海水温度の上昇により海の生態系の変化、水面の上昇、融けゆくカナダ北西航路における問題、そして将来の鮭の行方などに焦点をあてています。
たった5リットルのガソリンがどれくらいの量の二酸化炭素を生み出すかを実感したり、山火事の上を飛んだり、最新の風力発電機やソーラーパネルを見たりしながら、これからどうやって地球を守ってゆくのか考えませんか。
St. Rochの冒険
マリタイム・ミュージアムには、館内にSt. Rochという船が保管されています。
これは、RCMPのために造られた最初の船で、西海岸から東海岸へ北極圏を航海した最初の船であると同時に、北アメリカを周航した最初の船でもあります。
セント・ロックがカナダの北極圏への処女航海に出たのは1928年ですが、この船を有名にしたのは、1940年、太平洋岸から大西洋岸への北方航路を発見するための航海でした。RCMPの隊員8人が乗ってバンクーバーを発ち、太平洋岸ハリファックスに着いたのは、なんと28ヶ月後の1942年11月でした。
この航海は、前代未聞の苦難の旅となりました。出発時、セント・ロックにはキャビンもヒーターも、キッチンも、トイレすらありませんでした。病気になったら死ぬしかないという状況の中で、ビタミンその他の栄養をとるため、隊員はあざらしの生肉を食べて生き延びました。5家族のイヌイットしか住んでいない北極点近くのパスレイでは11ヶ月の間氷によて足止めされ、1人のクルーを心臓発作で失っています。
極寒の地でのサバイバル法を学ぶために、彼らはイヌイットの1家族にハリファックスまで一緒に行ってもらうことにしました。これは、18ヶ月の赤ん坊を含む8人の家族でした。船のデッキに張った小さなテントで、この8人はハリファックスまで行くことになるのです。
帰りは船にキッチンやヒーターもつき、クルーも11人に増え、犬そり用のシベリアン・ハスキーが17頭同船しました。もちろんイヌイットの家族8人も一緒です。(もっとも帰りは航路が少し違ったため、この家族はとんでもないところで下船させられ、2年以上の歳月をかけて徒歩でもとの村に戻ったといいます。)
このセント・ロックの北極圏航海に乗り出した勇気あるRCMP隊員は、志願だったそうです。
1942年にRCMPのスクーナーSt.Rochが行く手を阻まれた北西航路が、今は氷が融けてしまって簡単に航海できるようになっている。
温暖化の実態やその問題点などを、展示パネルや様々な機材、映像を使ってわかりやすく説明してくれる。
インフォメーション
場 所: 1905 Ogden Ave. Vancouver
Vanier Park内
インフォ: 604-257-8300
開 館: 火曜~土曜 10am~5pm
日曜 12pm~5pm
入場料: $10/大人 6-18・シニア/$7.50
$25/家族 5歳以下無料
行き方:
False Creek Ferrieが前に止まります。
ダウンタウンから
バス:2番または22番のバスでCornwallとCypress St.の角で下車。
⇒Cypress St.を北に3ブロック歩く。
車: Burrard BridgeをわたってCornwall Aveに入ってすぐChestnut Stを右折。まっすぐ突き当たりまで。