カナダの出来事 - 9月号 -

景気低迷が健康に与える影響 収入と学歴によって明らかな差異

 景気の低迷がカナダ人の健康管理に与える影響について世論調査が行われ、その結果が17日に発表された。

 毎年報告されるカナダ医学会の全国健康レポートカードによると、景気の下降によって、国民の多くがそれぞれの生活の質を幾分低下させることを余儀なくされているが、所得の低い者ほど、また学歴の低い者ほど、この傾向が顕著であることが明らかになった。具体的には、食事や睡眠や処方薬の量を減らすようになったり、病院や歯科医院の予約をキャンセルしがちになるなど、節約のために自らの健康を犠牲にしている現状が示された。

 調査は電話とインターネットで行われた。電話による聞き取り調査は2009年6月7日~9日に1,002人の成人男女に対して実施され、最大想定誤差は±3.2%。インターネットのオンライン調査は2009年6月25日~7月11日の間、3,223人の成人男女に対して行われた。最大想定誤差は±1.73%。

1/4が景気低迷の影響ありと回答

 景気と健康の関係については、回答者全体の約4分の1(23%)が、最近の経済危機の結果、健康を維持するために費やす時間、エネルギー、お金が減ったとし、「景気低迷が自分の健康面に影響を及ぼした」と回答した。収入別にみると、年収90,000ドル以上の世帯収入がある者は16%が「影響があった」と回答をしたが、年収30,000ドル未満の者で同様の回答をしたのは31%だった。学歴別では、高卒未満の者は31%が「影響があった」としたが、大卒者では17%だった。

 影響があった点を項目別にみると、まず食費については、全体の32%が最近の景気低迷が理由で「食費を減らすようになった」と答えた。同様の回答は90,000ドル以上の世帯が23%だったのに対し、30,000ドル未満の世帯では44%だった。また大卒者で食費を削るようになったのは26%だが、高卒未満では39%だった。

 次に、経済的な不安のために「食事を抜くようになった」と回答したのは全体の16%だったが、年収30,000ドル未満では28%、90,000ドル以上では8%が同様の回答をした。また「食事を抜くようになった」高卒未満は26%、大卒以上は10%だった。

 睡眠については、最近の景気低迷のため睡眠時間が減ったのは全体で23%だったが、高卒未満では33%、大卒では16%という結果だった。

 経済的な不安のために歯科の予約を遅らせたりキャンセルしたと答えたのは全体の25%で、年収別にみると、30,000ドル未満では34%、90,000ドル以上では15%だった。

 また精神面での問いについては、金銭的な不安があると答えた人は全体の57%(かなり不安24%、やや不安33%)で、健康について不安があると答えた人は52%(かなり不安15%、やや不安37%)、解雇や失業の不安がある人は27%(かなり不安12%、やや不安15%)だった。

健康状態の自己評価

 自身の健康状態を評価せよという問いでは、「すばらしくよい・かなりよい・普通・あまりよくない・よくない」の五段階のうち、全体の41%が「すばらしくよい」(10%)か「かなりよい」(38%)と答え、「普通」と答えたのは38%。一方20%が「あまりよくない」(16%)か「よくない」(4%)と回答した。「あまりよくない」または「よくない」と答えた年収30,000ドル未満の者は33%、高卒未満の者は28%、90,000ドル以上は13%、大卒以上は11%だった。

肥満調査

 自分の体型については、全体の56%が「非常に太っている」(10%)か「やや太っている」(46%)と評価し、38%が「平均体重」、6%が「やや痩せている」(5%)か「かなり痩せている」(1%)と答えた。体重に関しては、収入の違いによる差異はほとんどなかったが、学歴別では「非常に太っている」または「やや太っている」と答えた高卒未満は61%、大卒以上は52%と、いくらか差があった。

運動量について

 運動量に関する問いでは、全体の74%が「かなり運動している」(16%)または「多少は運動している」(58%)と答え、26%が「運動不足」と回答したが、その中で「もっと運動する必要がある」と考えているのは22%で、残りの4%は「運動する予定はない」と答えた。

 一方で、運動の必要性について、国民の認識度は高いことが確認された。たとえば以下のような運動の効用に回答者の多くが同意した。加齢に伴う健康問題の軽減(95%)、体重増加を抑制(93%)、日常のストレス軽減(93%)、長生き(92%)、重病予防(86%)、慢性疾患から重病への移行抑制(80%)など。しかし、こうした毎日の運動に対する重要性を認めているにもかかわらず、実行に移せていない者が多く、その半数以上が運動できない理由に時間・エネルギー・お金の不足を挙げている。「運動に割くエネルギーがない」という回答が61%、「時間がない」が59%、「施設や道具を利用するお金がない」が58%だった。

Posted by staff on 9 月 23rd, 2009 and filed under カナダの出来事. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0. You can leave a response by filling following comment form or trackback to this entry from your site

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