BC州の森林火災、被害は8045ヘクタール 避難命令は解除に
BC州南西部リルエットから西65キロに位置するティヨートン湖周辺で続いていた大規模な森林火災は23日、避難命令が出されていたすべての地域で命令が解除された。これによってマーシャル湖およびリザ湖周辺の住民や家屋の所有者は2週間ぶりに自宅に戻れることになった。
火災は5月29日に発生し被害を拡大し続け、森林の消失面積はこれまでに8045ヘクタールに及んでいるが、現在は100%拡大が阻止できており、BC州森林サービスによると、今後極端な乾燥や強風に見舞われなければ、まもなく火災は100%コントロールできるようになるとされている。現在は170人の消防士、4機のヘリコプター、9台の消火用重機が投入され、引き続き消火活動が行われている。
この火事は、カーペンター湖西のピアソンポンド付近のキャンプ利用者による火の不始末から発生したとみられており、これまでに家屋の被害はないが、マーシャル湖、リザ湖、キャロル湖、ティヨートン湖、ガン湖、ゴールド・ブリッジ、ブラローン、マッド・クリーク、ガン・クリーク・ロードでは、避難命令は解除されたものの、現在も避難警報が出されている。
峠は超えた森林火災
ようやく沈静化の兆しが見え始めたティヨートン湖周辺の森林火災だが、発生から10日の時点では乾燥した気候と強風のため、2日間で被害が20平方キロメートルから60平方キロメートルへと急激に拡大した。その上、周辺の地形は急勾配、風向きも予測不可能で多方面から強く吹き付けてくるため、消火活動がきわめて困難な状態だった。被害がピークに達したときは、消防士が360人、ヘリコプターが13機、消火用重機が46台投入されていた。
50人の消防士が解雇
BC州政府は、ティヨートン湖周辺で消火活動に当たっていた消防士50人が安全違反と薬物使用の容疑で解雇されたと発表した。BC州パット・ベル森林大臣は22日、会社が森林火災における木々の危険について監視する「査定官」を十分な人数配属していなかったということを解雇の理由に挙げたほか、その内3人の消防士が違法薬物を使用したことで解雇したとも発表。この薬物がどのような種類のものでどのような状況で用いられたのかは明らかにされていないが、消火作業中に判断力を歪ませる可能性のある薬物の使用者を現場に配属させることは絶対に容認できないと述べた。
カナダの山火事事情
カナダの森林火災シーズンは早い年で4月に始まり、5月・6月でさらに増加し、夏の乾燥シーズンでピークに達する。9月には大方が消火されるが、カナダでは毎年の山火事で平均25,000平方キロ(エリー湖とほぼ同面積)の森林が消失しており、平均的な山火事の件数はおよそ10,000件にのぼる。毎年起こる森林火災の58%が人間の不注意によって発生する防止可能なもので、残りの42%が落雷によるものとされる。
消防士と消火活動
4月から9月の6ヵ月間は州政府とParks Canada が夏の消火活動のために数百人の消防士を雇い、訓練する。その多くは夏に仕事が必要な大学生だが、中には消防の専門学校に通い、鎮火についての高度な訓練を受けている者もいる。
消火活動にあたる消防士らは数週間キャンプで寝泊りし、強風によって炎が拡大の一途をたどれば消火に連日を費やすこともある。また消耗する消防士を補強するために他州や、ときには外国に送られることもある。多くは地上でチェーンソーや防水ポンプなどの手道具を用いるが、ヘリコプターで上空から消火活動を行う専門家もいる。たとえば、ヘリコプターからロープを伝って地上に降り立ち、手道具だけで消火活動を行う懸垂下降消防隊や、航空機からパラシュートで下降し消火に当たる消防隊員など、より大きな危険が伴うクルーの志願者は、通常の消防士養成コースを終え、懸垂下降やパラシュートの訓練を積んだ後も、さらに厳しいフィットネスや耐久力テストに合格しなければならない。
山火事にも利点が
昨今ではミリオン単位の予算をかけて森林火災防止のキャンペーンが行われているが、研究者らによると、火災は必ずしも完全な悪者ではないことがわかっている。自然発生的な火事は、草地や森林の生態系にとって自然現象の一部であるという。火事によって、森林にたまった落ち葉や枯葉、朽ちた丸太などの堆積物が焼かれるほか、林冠を減らすことにもなるので、地面に日光が届くようになり、新しい植物が育つことになる。また多くの植物や動物は、火災に適応する能力があるという。このためParks Canada は20年前、人や民家などに被害が及ばない限りは、火災をはじめ、害虫発生、木の病気など、自然現象の介入はしないことに決めている。