今回は調理からの省エネを考えて見ます。使い慣れた調理器具や調理方法の中に、小さな「省エネ」が眠っているかもしれません。
○ストーブの大きさと鍋(パン)の大きさ。
一般的なクッキングストーブにはラジエントヒーターが使われており、大きなヒーターと小さなヒーターがついていると思います。ヒーターからの熱は鍋の底の触れている部分のみならず、空気の対流でも鍋に伝わります。そのとき、鍋の底の大きさが2周りほどヒーターより大きいほうが、空気の対流からの熱を多く受け取ることができるので熱ロスが減ります。(ガスも同様です)
赤外線照射タイプ(ガラストップなど)は照射範囲がパンの底からはみ出さないように使用します。IHクッキングヒーターは鍋自体を発熱させるため、この限りではありません。(詳しくは取り扱い説明書等をご確認ください)
○パンの広さと水の量
胴鍋とフライパン・・・使い分けで意外な省エネができます。前項で説明したとおり、鍋の底が広いほどヒーターからの熱を効率よく受け取ることが出来ます。では、鍋の深さはどのように決めればよいのでしょう。それは単に調理する量に依ります。
たとえば、そばやパスタなどを茹でるときには「湯の沸騰による対流で、麺が踊るように」というイメージが強いため、茹で上げる量に依らずに胴鍋を使われる方が多いと思います。しかしながら、これには確たる根拠が無いだけではなく、「麺が踊る」ほどの沸騰を維持するためには多量のエネルギーが必要であり、大きなロスとなります。麺が均一に茹で上がるためには鍋の中の湯温が均一であることが必要ですが、対流により麺が踊る必要はありません。大きさにもよりますが、250g程度まではフライパンで茹でることができます。麺が水平に広がるため、湯温も均一になりやすく熱ロスが減ります。ヒーターの強さは小さな沸騰が維持できる程度で十分です。さらに多くの麺を茹でる際は胴鍋などの深い鍋を使うことになりますが、麺が踊るほどの火力は必要ありません。湯温が偏らないよう、適宜かき混ぜましょう。実のところ「麺が踊る」ように茹でる理由は、業務分野においてかき混ぜる手間を省くためとの見方が正しいようです。業務用の麺茹で機が強力なヒーターで湯を沸騰させるのはそのためです。(最新式の麺湯で機は、沸騰を極力抑えて効果的な対流を発生させる技術により省エネを実現しています)
by Noriaki Takahashi