日本の企業社会 - 6月号 - 中根雅夫

 先日、家族と沖縄に行きました。当地に在住する親類の結婚式に参加するためでした。今年は沖縄の梅雨入りが例年よりも遅れていて、滞在中、快晴にめぐまれました。
 今回はパック・ツアーを利用したので、フライトの時間に制約があり、当地での実質的な滞在時間は短くなりましたが、ホテルも航空会社系列のリゾートホテルに投宿でき、比較的低料金で快適な時間を過ごせました。
 筆者の家族と同様に結婚式に参加する親類の助言で、インターネットを経由して、今回のパック・ツアーを申し込みました。
 いわゆる電子商取引を行ったわけです。このような企業(business)と一般消費者(consumer)との間の取り引きをtoCと言います。
 直近の調査では、日本のその市場規模は5兆3,440億円に達していて、確実に拡大しています(以下、経済産業省による)。
 業種別構成比をみると、「情報通信業」が最も大きく27.8%、次いで「総合小売業」が22.8%、「自動車・パーツ・家具・家庭用品・電気製品小売業」が12.4%、「宿泊・旅行業、飲食業」は12.2%となっていて、この4つの業種で市場の8割弱を占めています。
 インターネットの利用者は増加の一途をたどっていて、総務省によると、06年末時点での日本国内のインターネット利用人口は8,754万人(人口普及率68.5%)に達しています。
 また、インターネットの利用者のうち、過去1年間(07年1月~12月)にインターネット・ショッピングで何らかの商品・サービスを購入した割合は86.9%に達しています。同様に、インターネット・ショッピングでの支出の増減状況(1年前との比較)としては、46.7%の人が「増加した」と回答しています。
 このように、インターネット・ショッピングは日本の消費活動において、購買手段の一つとして定着しつつあり、この利用人口の増加・利用程度の拡大がBtoC市場規模の着実な拡大を支えている一つの要因となっています。
 「総合小売業」では、通信販売事業者を中心に従来からBtoCを実施している事業者が引き続き好調です。また、百貨店や総合スーパーなどでも、BtoCの積極的な活用の動きがあります。
 百貨店では、BtoCで取り扱う商品を積極的に拡充していて、従来まではギフト用品が中心でしたが、現在では食品、化粧品、日用品などの様々な商品を取り扱うようになっています。BtoCを活用し、地理的条件などにより店頭に直接来れない消費者の興味・関心を掘り起こしたり、店頭では揃わない色・サイズの商品を提供したりすることで、店頭での売上高を補完するチャネルとしての期待が高まっています。
 さらに、大手の総合スーパーでもBtoCで取り扱う商品を拡充し、BtoCにさらに積極的に取り組もうとする動きがあります。
 「宿泊・旅行業、飲食業」では、宿泊・旅行予約サービスの提供事業者を中心に引き続き好調な成長を達成しています。
 実態調査によると、インターネット利用者における過去1年間(07年1月~12月)のインターネット・ショッピングでの購入商品・サービスは、「書籍・雑誌」が最も多く57.8%、次いで「食品・飲料・酒類」が46.5%、「衣類・アクセサリー」が45.1%であり、「旅行サービス(パック旅行申込・ホテル予約を含む)」は30.9%です。このように、消費者における宿泊・旅行予約サービスのBtoC利用はすでに定着しています。
 また、宿泊・旅行予約サービスを提供している事業者では、国内の宿泊・旅行予約サービスに加えて、海外の宿泊・旅行予約サービスの取り扱いも開始しています。さらに、宿泊予約や旅行予約のような単体のサービスだけではなく、交通チケットと宿泊・旅行予約サービスとを自由に組み合わせられるパッケージを取り扱う事業者も増えていて、これに伴って事業者間の提携も進められつつあります。このような、取り扱いサービスの拡充も、市場規模の拡大に貢献しています。
 さらに、サービスの特性上、他の人の経験談や評価などがサービス購入の意思決定に大きく影響を及ぼしています。このため、宿泊・旅行予約サービスのBtoCサイト内で口コミ・レビュー機能を設ける事業者や、宿泊・旅行予約サービスに関するアフィリエイト・サイト(Webサイトなどが企業サイトへリンクを張り、閲覧者がそのリンク経由で当該企業の商品を購入すると、リンク元サイトの主催者に報酬が支払われる)経由での販売などが増加しています。
 ちなみに、沖縄から帰宅してから間もなく、今回のツアー・パックの主催業者から、「お帰りなさい」というメッセージが届きました。

Posted by admin on 6 月 21st, 2009 and filed under 日本の企業社会. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0. You can leave a response by filling following comment form or trackback to this entry from your site

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