はなしの箸やすめ

リンゴの木の上にいた熊

熊のテリトリー


バンクーバー島のコモックスから25km北のミラクルビーチに住むエドは、夜8時近く懐中電灯で辺りを照らしながら車の方に歩いていたとき、うなり声を聞いた。彼はりんごの木の下に立ち止まり、ラクーンかと思って地面を照らした。

上を見ればよかった。りんごの木の彼のすぐ上のところに、一匹のブラックベアが座っていたのだ。熊はエドを平手打ちにしさらに頭をぶつけてきたので、彼は3メートルも吹っ飛ばされた。エドはまた懐中電灯で木を照らしてその熊を見たあと、いそいで家に帰った。

彼の妻はエドの顔が血だらけなので、あわてて病院に連れて行った。エドは頭の傷を縫ってもらって帰宅した。彼の家はブラック・クリークから500メートル離れているが、このクリークには熊がたくさん集まってきて鮭をとっている。

エドはリンゴの木から実をとったが、はしごにのぼっても届かないところの実は残してあった。風が吹いてリンゴが落ちたら鹿が喜ぶだろうと思ったからだった。

エドは、「私が思うに、鹿が好きなものは熊も好きなんだね。これで、どんな果物も木に残しておいてはいけないことがわかった。この熊は特に私を襲おうと思ったわけではなく、ぼくの木からどいてくれよ、と言いたかったのだ。だから私は野生動物保護関係者を呼びもしなかったよ」と語った。

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