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世界経済の命運背負い イタリアでモンティ新政権が発足

イタリアでモンティ新政権が発足、モンティ首相個人への支持率は83.8%

イタリア下院は18日、マリオ・モンティ新内閣に対する信任投票を行い、賛成556票、反対61票で可決した。上院では前日に賛成281票、反対25票で信任しており、政治家が一人も入閣しない学者や経済専門家だけで構成された異例の新政権が発足した。財政再建と経済成長という難題に取り組み、市場での信頼回復を図ることで債務危機の拡大を抑えることが課題となる。

モンティ新首相は投票前の演説で、「改革はほとんど不可能なほど難しいが、実現させる所存だ」と述べ、議会任期の2013年5月まで内閣を存続させる意気込みを語った。モンティ首相は経済財務大臣も兼任する。

<マリオ・モンティ>

1943年、イタリア北部バレーゼ生まれの経済学者。ミラノにある名門経済専門大学ボッコーニ大で経済学と経営学を修め、米イェール大大学院では後にノーベル経済学賞を受賞した故ジェームズ・トービン氏に師事。トリノ大学で経済を教え、その後ボッコーニ大学の学長や総長を務めた。

1995~1999年にはEU欧州委員会の域内市場・サービス担当、関税・課税担当を務め、99~04年に競争政策担当委員だったときには米マイクロソフトによる独占禁止法違反問題の調査にあたり、約4億9700万ユーロの制裁金を決定するなどの中心的な役割を果たした。ベルルスコーニ前首相とは対照的にイタリア人らしからぬ生真面目で慎重な性格を持つ一方で、有能なやり手としても知られ、「スーパー・マリオ」と呼ばれている。

前途多難な今後

新内閣が辿る道はきわめて厳しいものになることが予想されている。イタリアの政府債務は国内総生産(GDP)の120%に当たる18兆ユーロを越えており、夏以降は国債価値が急落。ギリシャに次ぐ破綻が懸念されている。25日の欧州市場では、イタリア国債の利回りが7.3%台という、ベルルスコーニ前首相の辞任直前の9日につけた過去最悪の7.4%台にまで迫り、再び危険領域に突入した。

モンティ首相は25日、前日に行なわれた仏独伊首脳会談の内容を閣議で説明し、仏独両国首脳はモンティ政権に大きな信頼を寄せつつも、欧州ユーロ圏3位の経済規模を持つイタリアが破綻すれば、ユーロが崩壊することは必至で、欧州統合プロセスも頓挫すると強い懸念を示したことを明らかにした。

こうした中、伊紙スタンパは27日、イタリアの債務危機がどうにもならなくなった場合のために、最大で6000億ユーロ(約62兆円)の支援金を国債通貨基金(IMF)などが準備していると報じた。

屈辱の辞任劇

市場での信用急落に押し切られる形で崩壊に追い込まれたベルルスコーニ前政権。前首相は、退陣の条件として挙げていた12年予算原案が12日に可決されると、同日夜、ナポリターノ大統領に辞表を提出した。08年5月に発足した第4次ベルルスコーニ内閣は総辞職、94年から17年間にわたり首相を務めたベルルスコーニ氏は、その座から退いた。

イタリア一の大富豪でメディア王、カリスマ性とコミュニケーション能力の高さを誇るベルルスコーニ氏だったが、性的スキャンダル、詐欺事件、醜聞、失言などの話題に事欠かず、「お笑い内閣」と揶揄されるほどだった。

12日夜、辞表を提出するため、自宅を出たベルルスコーニ氏を待ち受けていたのは氏の豪邸前に集結した大勢の市民による「ピエロ、ピエロ」、「牢獄に行け」という野次の大合唱だった。さらに大統領官邸に到着すると、1000人以上の市民が同氏をののしる横断幕を用意して出迎え、またもや「ピエロ」の大合唱が湧き起こった。楽器を手にした集団も現れ、「ハレルヤコーラス」を演奏して歓喜を表現。市民らは歌ったり、踊ったり、シャンパンを開けるなどして首相の辞任を祝い、喜びを爆発させた。

ベルルスコーニ氏は13日のビデオ演説で、辞任の夜に浴びせられた屈辱的な野次については「悲しかった」と沈痛な面持ちで述べる一方で、「イタリアの再生に向けて、明日からはこれまでの倍以上働く」と前向きに語った。しかし、同氏所有のテレビ局では、他局が新首相指名のニュース速報を流しているときも、タイトな衣装に身をつけた女性らが飛び跳ねる番組を放送していたというから、国民からの侮辱もそれほどこたえてはいないのかもしれない。

尚、ベルルスコーニ氏は数週間の内にも4枚目の音楽アルバム『愛』をリリースする。これまでのアルバムと同様、女性の心に訴えかける愛の歌を熱唱しているという。

新内閣は高い支持率で好発進

イタリア紙レプブリカが掲載した世論調査の結果によると、モンティ新内閣の支持率は78.6%に上る。崩壊直前のベルルスコーニ前政権に対する支持率が20.5%だったことから、新内閣に対する国民の期待の高さを反映する結果となった。

また、モンティ首相個人への支持率は83.8%で、ベルルスコーニ前首相の28.6%を大きく上回る高支持率だった。

調査は新内閣が承認された17~18日にかけて実施された。

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