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人類のエネルギー展望(2)

人間は、石器時代に火を発見し、植物を燃やしてエネルギー源とすることを始めた。

太陽熱発電

落合 栄一郎

さて次に人類の長期にわたるエネルギー需給を考えてみよう。

[3] 人類のエネルギー獲得の歴史 —概観—

まず、人類が地球上の数百万種ある生物種の一つであることを確認しておきたい。人類以外の生物は、自然のエネルギーのみに依存して生きている。主に太陽光で、そのエネルギーを植物が利用して、自分の必要とするエネルギーと自分の体を、2酸化炭素と水から作り、その植物体を動物達(人間も)が利用してエネルギーを作り出して生きている。また、冷血動物などは、体温維持のために太陽光を直接に利用している。

ところが、人間は、石器時代に火を発見し、植物を燃やしてエネルギー源とすることを始め、やがては、自然に供給されるエネルギー以外の大量のエネルギーを使用するようになってきた。このエネルギー(燃焼エネルギー)はやがては、石炭と石油などの炭素化合物から得るようになった。

一方、同胞(例えば征服した種族を奴隷に)や牛、馬などの動物もエネルギー源としたが、これは、元をただせば太陽光に帰着する。また、風や水力の物理的エネルギーも舟の駆動や、様々な機械力として利用するようになった。18世紀には、石炭(化石燃料)を使う様々な機械を発明し、工業生産を始め、大量生産/消費、長距離/高速輸送の現代文明が始まった。(言うまでもないが、人類以外の生物はこんなことはやっていない)。19世紀後半には、電気が発見/発明され、その便利さの故に、あらゆる生活場面で使われるようになった。エネルギー源としては、石油という液体が様々な場面で非常に使い易く、20世紀初頭ごろから人類の使うエネルギー源の主要なものとなった。

科学の面では、19世紀末・20世紀の始め頃から、原子の構造が解明されはじめ、1938年には、現在原爆や原発に利用されている「原子核分裂」という現象が発見された。これによる大量のエネルギーを人類(米国)は、まず人を大量に殺す武器として利用した(原爆)。その悪を隠蔽するために、そうした技術を開発し、儲けた側は今度は平和利用と称して原子力発電を開発、喧伝し、世界中に広めた(アイゼンハウアー大統領は、1953年12月8日に、国連で「平和のための原子」なる演説を行い、原子力の平和利用を強調した)。これを始めた時点では、電力の不足の解消とか、グリーンエネルギーとかの意識はなかった。

ただ日本へ導入したときには、少量の資源(ウラン)で大量のエネギーを供給できるので日本の資源不足を補うことができるという宣伝が行われ、日本人は説得させられたようである。1973年に起ったいわゆる「オイルショック」が原発導入を加速し、原子力炉が、54基も日本全国に作られた。地球全体では、430基ほどの原子炉が稼働している(2008年)。しかも原子炉製造会社は、2008年の時点で、フランスのアレヴァ社—三菱、東芝—ウェスチングハウス、日立—ジェネラルエレクトリックの3社にしぼられ、そのいずれにも日本企業が絡んでいる。日本は、原子爆弾の洗礼を受けながら、世界最大の原子力製造企業群を形成している。歴史の皮肉というべきか。日本企業の先見性のなさというべきか。

さて福島原発の事故で原発の安全神話が覆され、脱原発の勢いが世界中で増しつつある。世界全体でみれば、原発は、人類のエネルギー需要の約6%(2006年)を満たしているにすぎない。しかし原発大国フランスはその80%ほどを、日本は30%ほどを原発に依存している(ことになっている)。

[4] 将来の人類人口との関連

さて、20世紀初頭に16億であった人口は、21世紀初頭には60億を超え、2011年中には、70億になると予想されている。この数は、その重量からして、地球上の全生命の中のかなりの%(およそ全動物の0.02%ほどーこの推定値は不確か)を占める。人間はかなり大きな(重量の大きい)生物種であるからである(人間より大きい個体をもった動物はそれほど多くない)。そして、先にも述べたように、ホモサピエンス1種で、地球上の資源の大部分を消費している。そして、2050年には、今の傾向が続くならば、90億の人間が地球上でひしめくことになる。今よりも30%近くアップすることになる。エネルギー需要も、現在の経済システムが続くならば、おそらく4−50%アップが必要になるであろう。もちろん食料危機も今より深刻化するであろう。現在でも全人口の10%は飢餓に瀕しているのにである。人口・食料・水の問題のほうが、実はエネルギー問題よりも深刻だが、今は省略する。

いずれにしても、このような人口増加にエネルギー面でどう対処するか。エネルギー政策検討にあたって、長期の展望をもって臨む必要がある。

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