日本の企業社会

東日本大震災 

今回の大震災からの回復は長期になり、これからが「正念場」となりますが、今こそ日本全体が一丸となり、強靱な精神力でこの難局を乗り越えなくてはなりません。

東日本大震災 大船渡

それは突然やってきました。職場の6階にある同僚の研究室で雑談をしている時でした。今までに経験したことのない大きな揺れが持続し、本棚から本が多数落ち、机上に平積みにされていた書類なども床にすべり落ちました。

あらかじめ決められている避難場所にその日出勤していた教職員が集まり、地震の猛烈さを強い余震を感じながら各々語り合っていましたが、携帯電話を持っている者が首都圏のすべての交通手段がストップしていること、ワンセグを見ている者が被災地で車が波に流されている様子などを聞くに及んで、事態の深刻さを改めて痛感しました。

まだ大きな余震が懸念される中で、自分の研究室にもどりましたが、机上や本棚に不安定に積み上げていた本や書類の多くがやはり床にずり落ちて、散乱していました。その「応急措置」を取り合えず行い、帰り支度を急いでして、ほぼ同じ方向に自宅がある親しい同僚の一人と、歩いて自宅に向かいました。

結局、東京・世田谷から横浜まで、普段は1時間ほどの道のりを、5時間あまりかけ歩きました。
そして、2週間が経ちました。依然、被災地はもとより、国内全体が混乱状態にあります。たとえば電力不足から「計画停電」が実施に移され、筆者の地域も何度かそれを経験しています。それに伴い、デパートやスーパーなども含めて多くの店舗が営業時間を短縮させています。

そうした中で、今も世界でそのニュースが頻繁に流れていますが、とりわけ福島原発事故による放射線漏れの事態が広範囲にわたって深刻な影響を与えています。

その一つに、風評被害があげられます。ここで風評被害とは、災害、事故および不適切または虚偽の報道などの結果、生産物の品質やサービスの低下を懸念して消費が減退し、本来は直接関係のないほかの業者・従事者までが損害を受けることを意味します(ウイキペディア)。

今回の大きな震災では、福島、茨城、群馬、栃木の4県で生産されたほうれん草とかき菜などから、国の基準値を超える量の放射性物質が検出されました。そのため政府が出荷制限の指示を出したこと受けて、たとえば群馬県のJAは同県知事に対して風評被害の防止など対策の徹底を申し入れています。

群馬県は、全国でも有数のほうれん草の産地で、政府が出荷制限の指示を出したことから、農家への影響が懸念されています。同県知事は「出荷制限はやむをえないと考えているが、国への働きかけを通じて補償問題にしっかりと取り組んでいきたい」としています。

東京都中央卸売市場では、規制値を超える放射性物資が検出された4県産以外の野菜も安値で取引されており、関係者は風評被害で野菜が売れなくならないか心配しています。

実際、摂取制限指示の影響で、対象外の関東産の野菜まで、風評被害による買い控えの動きが広がっています。一部のスーパーなどは、県名を名指しで「一律お断り」の店もあるということです。

また、福島県産の原乳も出荷制限となっており、乳製品が不足気味になっています。東北地方に多数ある乳製品工場が震災被害を受けたうえに、原発事故による出荷制限が原乳不足に追い打ちをかけており、乳製品の不足をもたらしています。

そのほかにも、たとえば福島県内で最も南に位置するいわき市は、中心部が原発から40キロ以上離れており、原発周辺地区からの避難者を多数受け入れています。しかし、人口1%強の県内で最も北の地域が半径30キロの屋内退避区域にかかっただけにもかかわらず、いわき市は「危険」という根拠のない風評が首都圏などで広がり、物流が滞るなど、市民生活に深刻な影響が出ています。

市内の地元スーパーの関係者は、米国政府が原発から半径80キロ圏内の米国人に避難勧告したことなどの影響があり、首都圏からの物資が茨城県内で止まっていると話しています。

スーパーなどを見て回ると、それまで品切れが続いていたトイレットペーパーや乾電池、牛乳などは徐々に店頭にもどっていますが、関東一円の浄水場から乳児の飲用基準を上回る放射性物質が検出されたことで、首都圏などの小売店でミネラルウオーターなどペットボトル入り飲料水の品薄は依然続いています。

今回の大震災からの回復は長期になり、これからが「正念場」となりますが、今こそ日本全体が一丸となり、強靱な精神力でこの難局を乗り越えなくてはなりません。

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