不動産あれこれ

或るお客様の不動産購入の状況

不動産を購入するとき、どんな風にことが運ぶのか。専門家がひとつの例を挙げて説明する。

2011年も早3月、春を目の前に今年も不動産市場が徐々に活気を帯びて来ています。ふれいざー読者の皆様の中には、今年こそ不動産を購入しようとお考えの方もいらっしゃる事でしょう。

そこで、最近私がお手伝いさせて頂いた或るお客様の不動産購入の状況を、皆様のご参考に、ここで振り返ってみたいと思います。

まず、このお客様から初めてご連絡を頂いた折、不動産物件のご希望をお伺い致しましたところ、お子様に通わせたい学校が2校あり、その学区域内の物件であること、ご予算が80万ドルぐらいまでで治安が良い地域であること等を伺いました。

そこでまず、その2校の学区域を確認して、その地域内で売りに出されている物件の中でご予算内のものを不動産協会の売り物件サイトからリストアップして、その中からプロの目から見て最も優良と思われる物件を数件選び出し、そして実際にお客様を現地にご案内してそれらを見て頂きました。この一連の作業を何度か繰り返しておりましたところ、$760,000.で売りに出ていたコンドミニアムをお客様が大変お気に召されて、その物件にオファー(購入申し込み)を出して、交渉を試みる事になりました。

そしてお客様とご相談しながらご希望に沿って、まず初めに用意致したオファーは下記のような内容です。

オファー価格は$700,000.で、ディポジットは$35,000.(これは手付け金で、通常、購入金額の約5%が目安です。下記の条件が満たされて、その条件を取り除いて当売買契約を本契約にする時点で、中立な立場の銀行信用口座に入金致します。) 決済日は、2011年5月3日を希望して、引渡日のほうは2011年5月4日の午前11時を希望。購入価格に含まれる物は、洗濯機、乾燥機、冷蔵庫、クッキングレンジ、食洗機、取り付けてあるすべての照明類、すべてのブラインド類、ガレージドアのリモートコントロール。

条件は、①オーナー組合の関係書類を過去2年分に渡り売主から受け取り、その内容に満足した場合に当物件を購入する。②当物件の構造調査を行い、その調査内容に満足した場合当物件を購入する。そして当オファーが合意された後、7日以内に以上の条件が全て満たされたら、これらの条件を取り除いて当売買契約を本契約にする。

この他条項は、①パーキング車1台分と地下ロッカー1つが含まれること。②決済日までにオーナー組合で特別分担金の徴収が可決された場合は、売主がその全額を負担する。③売主は引渡し前に専門業者へ依頼して、室内のクリーニングをすること。以上です。

このオファー内容でお客様にサインをして頂き、売り主側へプレゼンテーションを致しましたところ、売り主からの返答は下記のような内容でした。

価格は、$700,000.では売却できないが$738,000.ならば了承する。
決済日は、2011年6月29日を希望。
引渡日は、2011年7月3日を希望。
条項③のクリーニングに関しては、専門業者ではなく売主自身が行う。以上でした。

これに対してのお客様のご希望をお伺いしたところ、「決済日・引渡日・売主自身によるクリーニングは合意するが、金額は$722,000.で再度交渉を試みて欲しい。」との事でしたので、それに従ってオファー内容を変更して売主へ返答したところ、売主からは「では、決済日・引渡日を買主の希望に近い4月29日・5月3日で合意する代わり、価格は$735,000.」との返答でした。その後、再度、$728,000.で交渉を試みましたが、売り主からは「$735,000.以下には出来ない。」との返答でしたので、お客様にその旨をご報告して検討して頂きましたところ、最終的に$735,000.でのご購入に同意され、$735,000.での売買契約が上記の条件付きで成立致しました。

その後、過去2年分のオーナー組合関係書類を売主から受け取り、その内容全てに目を通してお客様にご説明し、同時に当物件の構造調査を行い、その調査内容もお客様にご説明し、それに対してお客様がその内容に満足なさった上で当オファーが合意された後7日目に一連の条件を取り除いて当売買契約を本契約に移され、また、ディポジットの$35,000.を所定の銀行信用口座にご入金頂いてこの度のご購入を最終的に決定されました。そしてこのディポジットの資金は、このまま決済日までその銀行信用口座に保管され、決済日に購入資金の一部として加算されて決済されます。

これ以降の手続きとしましては、お客様が指名なさる弁護士又は司法書士が、登記変更書類を含む売買決済書類を作成し、一般的には決済日の約4~5日前にその決済書類にご署名頂きます。またその折に、弁護士又は司法書士が算出した決済金額を、決済日の前日までにその弁護士又は司法書士へ渡します。弁護士又は司法書士は、決済日に売り主側の弁護士又は司法書士から、売り主の署名が入った登記変更合意書を受け取り、登記の変更手続きを完了させ、それと同時に、その決済資金を売り主側の弁護士又は司法書士に渡します。これで決裁手続きが完了致します。決済完了後は、合意された引渡日に当物件の鍵を売り主側から受け取り、新しいオーナーとなられたお客様へとお渡し致します。

以上のような流れで不動産購入が行われます。少しでもご参考になりましたでしょうか? 勿論これは一例にすぎません。不動産物件には同じ物が二つと無いように、ご購入のプロセスもそれぞれの状況に応じてのcase-by-caseです。その時に役立つのはやはり多岐に及ぶプロの経験値だと思います。それを充分に活用して頂く為にも、どうぞ私共不動産業者へお気軽にお尋ねください。

(文責: サットングループ・ウエストコースト不動産 村上丈二)

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