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ガザに入った日本人医師の活動に思う

日本人医師として唯一空爆下のガザに向かった桑山先生の『地球のステージ』を一緒に支援しませんか。

岩崎 万里

『夜の闇の静寂があたりを包んでいて、ほっとする。 「この空爆で死ななくてすんだ」 という思いが込み上げてくるが、ふと 「これっておかしい」と気付く。自分で危険な山に登り、無事に下山した時、 「よかった登り終えた、遭難して死なずにすんだ」 とほっとするだろうけど、それとはちがう。なぜならこれは圧倒的で一方的な爆撃の暴力の前に自分という人間が引きずり出されて、曝され、それでも何もなく無事にいられただけの話で、そんなことになぜ自分がほっとしなければいけないのか、その理不尽さにすぐに気付く。

そして惨めな気持ちになる。これが戦争だ。心がどんどん惨めになっていく。「お前なんか死んでもいい」 と空を飛ぶ戦闘機のパイロットに思われて、爆弾を落とされることがどんなに人間として惨めか、気付かされる瞬間なのだ。』(『地球のステージ』ブログより)

イスラエル軍の激しい攻撃が続いていたパレスチナ自治区ガザで緊急医療活動をされていた唯一の日本人医師、桑山紀彦先生は、夜間空爆の恐怖の中、戦争に対する理不尽な思いをこのように語っていた。

私は連日、彼が代表となっているNPO法人『地球のステージ』のブログに目を向けていた。戦争体験のない私にとって、そして平和ボケしている私にとって、今まで戦争とはどこか遠い世界のことのように感じていたが、恐らく今回ほど身近なものとして捉えたことはないだろう。なぜならば昨年9月バンクーバーで行われた『地球のステージ』でお会いした桑山先生がガザにいたからだ。同様に『地球のステージ』のファンであるたくさんの日本の若者たちも同じように感じていたに違いない。それは彼のブログの書き込みからも汲み取ることができる。

桑山先生は山形県在住の精神科医で、長年国際医療救援ボランティア活動をされている。地震等の被災地での緊急救援活動や心理社会的ケアなどの災害医療支援事業をはじめ、東ティモールでは母子保健事業に、また今回のパレスチナ自治区ガザのラファ市においては、とくに子供たちへの心のケアに取り組んできた。

『響き渡る地響き、立ち上る黒煙…(中略)長年付き合ってきた仲間たちが住むガザの街は、目の前で攻撃にさらされていました。』(『地球のステージ』ブログより)

復興のために力を注いできた街が目の前で空爆によって粉々にされる姿をどのような思いで桑山先生は見つめていたのだろうか。
今回ラファ市立病院の救命救急室(ER)で医療支援にあたっていた桑山先生は、空爆や砲撃のすきを縫って救急車で近隣の病院に患者を搬送することもあったそうだ。しかも救急車は140キロのスピードで駆け抜けていく。攻撃をかわすためだという。命懸けの救命活動である。

もう一つの桑山先生の偉大なる活動は、日本の学校現場を舞台にした『地球のステージ』の開催である。『地球のステージ』、それは音楽のステージでもなければ、映画でもなく、ましてや話しだけの講演会でもない、新しいメディアを使った世界理解講座だと桑山先生は言う。医学生時代に経験した放浪の旅や、今までのボランティア活動で訪れた国、そこで出会った人たちをビデオ映像や写真などに映しながら、自作の歌とともに語りと曲で構成する「映像と音楽のシンクロ」ステージである。96年1月からはじまったこの『地球のステージは』昨年10月で通算回数1800回を越えている。桑山先生はステージでこのように語っていた。

「どんな国に出かけて行ってもビックリするのは、人間ってすごい生きものだということです。どう見ても、どう考えても立ち上がれそうにない困難な中で生活しているのに、ちゃんと前を見て生きていこうとする人が沢山いるからです。それが小さな子どもだったりするから驚きです。そんな人々と触れ合うと、逆に、勇気をもらいます。 だから、またすぐ、彼らに会いたくなって旅に出てしまうんです」と。そして私が映像の中で目にしたものは、紛争地や貧困の中であってもきらきらと光輝いているこどもたちの笑顔だった。

なんて人間って強いんだろう、美しいんだろうと思った。そして平和だといわれている国に果たしてあの笑顔が存在しているのだろうか、本当の豊かさとはいったいなんだろうかと考えさせられた。そして、こんな私でも何か出来ることはないのだろうか、私の中で眠っていた何かが目醒めた瞬間だった。

昨年11月、バンクーバーにおいて、『地球のステージ』を支援する会が発足され、不思議な縁で私も世話人として活動させていただくことになった。近い将来、バンクーバーでまた『地球のステージ』でこどもたちの笑顔に出会いたい。
”地球のステージを支援する会(Frontline for Peace, Vancouver}”に参加されたい方、ぜひご連絡ください。連絡先:ffpv@shaw.ca 

Tel:604-521-4548 世話人代表:石井
NPO法人、地球のステージ公式サイト
http://www.e-stageone.org/index.html

 

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