タイからの便り ブエングボラペット、タイ最大の野鳥地を訪れる
タイでは、たくさんの鳥と種類を苦労せずしてみることができた。
ナコン-サワン州はタイの北部と 中部の境にあり、その州の一番大きな街の名でもあります。北方から流れてくる4本の河がこの街の周辺で一本にまとまる水の豊かな地域で、一本になったチャオ‐プラヤ河はバンコクに下り、その河畔にWat Arun (暁の寺)などの多くの有名な寺を産みました。
Nakhon Sawanとは『天国の町』の意、さすがに掃除の行き届いた美しい街です。 この度のタイ滞在中の11月半ばになって初めて探鳥がこのナコンサワンの近く、ナン河とピン河の合流地点に出来たBueng Boraphet(ブング‐ボラペット)と呼ぶ230平方キロメートルの広さを持つタイ最大の湿地。社長からの指示で研究室のソムさんがウエブサイトで探してプランを立ててくれた野鳥地です。ここでは年間を通して約190種の野鳥が観測され、150種の魚類、50種の水生植物がこの湿地に生息すると報告されているタイ最大の自然地です。
この湿地周辺には自然林が多く、多種の小鳥が住み着いていますが、中国及び北西に広がるアジヤ大陸の寒冷地から、秋になると渡り鳥が数多く訪れれることが最大の特徴として知られ、タイの内陸ではあまり見ることの出来ない鴨がここでは数種、群れを成しているのが見られるとはウエブサイトの紹介です。それにしても同行する数人の若い技術屋に鳥の名を聞いても『ノック(鳥の意)』としか知らない人たち、広大な湿地でどうやって鳥を探すのか心配でした。
最近飛来したばかりの鳥を見るのは早朝が最適、出来るだけ早く出掛けようと話を持ちかけると、皆と相談した挙句、8人乗りのライトバンを予約、朝3時にホテルに迎えに来るとソムさん。まさかそんなに早く、と思いましたが、考えてみれば滞在中のロプブリはバンコクと目的地に近いナコンサワンとの丁度中間、それならば車で2時間前後です。前夜、早朝のホテルのドアは開いているかを確認し、朝3時きっかりに玄関を出たら美しい星空の下で既に顔見知りの運転士が待っていました。そしてタイを12年間訪問中で初めて、日本から持参したジャケットを着る程の涼しさを味わいました。
予定通り湖畔に着いたのは午前5時を少し廻ったところ。気温は18度くらいと思いますが、腹拵えを持参のスナックで車の中で済ませ、予約してあったボートに乗り込んだのが5時半、そしてボート主の犬も一緒に湖畔を離れて浅い湿地をゆっくりと走り始めると早速20~30羽の鴨の群れが草むらから飛び立ちます。ロングシャフトと呼ぶ、モーターに直結された約5メートルのシャフトの先にスクリューの付いたボートは上をアルミ板で覆い、その上にピクニックテーブルと板っぺらの腰掛が付き、厚手のビニールの雨除けだけの簡単なもの、船体は湿地の植物に引っかからないように幅広のごく浅い出来です。
湖水からの日の出はすばらしく、真っ赤な太陽を横切って鴨や鵜の群れが飛び交います。タイでは朝焼けを誰も心配しません。地平線に近い太陽は高い湿度のために何時も真っ赤です。陽が昇ったばかりの湖は未だ十分明るさが無く、スピードは無くとも揺れる事にかけては普通のボートと変わりない船上での撮影には苦労しました。ISOを1600にセットして、望遠レンズで絞り全開でもせいぜい40分の1でしか写せず、画面の荒れた写真が出来上がりました。下記にウエブアルバムを作りましたので、ご覧ください。
http://picasaweb.google.ca/kiyocoq/BuengBoraphetBirdSanctuaryNakhonSawanThailand?authkey=hlWJMzbi0J8'>http://picasaweb.google.ca/kiyocoq/BuengBoraphetBirdSanctuaryNakhonSawanThailand?authkey=hlWJMzbi0J8 どうやって鳥を探すのかは無駄な心配でした。船の船頭さんは鳥のエキスパートで、鳥の名を片端から教えてくれていますが、残念ながら皆タイ名。どの辺に何がいるかを熟知していて、ボートをゆっくり走らせたり、浅瀬に停めて見せてくれます。そこで僕は船首に立って撮影し、不明な鳥は後で英名を調べることにしました。もちろん湿地ですから見られる鳥の多くは水鳥、稀に小鳥がヤブから顔を出しますと、見つけた人が必ず『クンキヨシ、ノック!』(キヨシさん、鳥が居る)と声をかけてくれます。
小鳥も綺麗ですが、何んと言ってもその水鳥の種類と、特にその膨大な数には圧倒されました。大方は既に学んでいた種で、特に『シロスキハシコウ』(英名Asian Openbill Stork)は予期を超える、目測で湿地の中の藪に出来た約2000番いの巣では既に雛が産まれ始めていました。この地域のコウノトリはこの定着種です。このコウノトリを始め、長年続けている探鳥でこれだけの数と種類の鳥を2時間続けて見た経験は始めて、思い出の深い小旅行でした。